砂糖の食品表示ってややこしくない?種類から個別表示の方法まで徹底的にまとめてみた!

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食品表示は、消費者の私たちが見やすく・理解しやすい表示方法で、知りたい情報が得られるよう、日々改善されています。

 

ですが、食品表示を勉強し始めて、「なんで個別のルールがあるのか?」こう思ったことってありませんか?

全部統一できたら楽なのに、わざわざ個別のルールが用意されている…

食品表示を作る側、勉強する側としては、ややこしくて仕方ないですよね。

 

でも、消費者として表示を見る際には必要なルールです。

 

「社内に食品表示に精通する人間がいないが、商品を売りたい」という方、「食品表示を独学で勉強している」という方向けに、個別の表示方法がある『砂糖』について、品質管理課で実際に食品表示を作成している筆者が詳しくまとめてみました。

 

これを読めば、砂糖の表示のルールがわかり、一括表示の作成や食品表示の勉強が少しは楽になるのではないかなと。

 

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まずは砂糖の表示方法を整理

個別ルールと聞くとややこしく面倒に感じますが、無数にルールがあるわけではありません。

「この場合とその場合はこう」「あの場合はこれ」「それ以外はいつも通り」

こんな感じで、いくつかに分類することができ、それ以外はほかの原材料と同じ表示方法でOKです。

 

つまり、特別な表示方法と、その表示が必要な食品さえ押さえておけば、あとは問題じゃありません。

 

ということで、まずは表示方法を整理していきましょう。

 

 

砂糖に限らず、基本

簡単に言うと、重量順に一般的な名称で表示します。

 

詳しく書くと長くなるので別記事にまとめました。

原材料・複合原材料の表示方法【加工食品の食品表示を徹底解説 第2弾】

 

食品表示基準第3条で定められている別の名称

食品表示基準の第3条では、「これはこの名称で表示してもいいよ」という原材料がいくつか定められています。

とりあえず、砂糖類のみピックアップ。

 

無水結晶ぶどう糖→「ぶどう糖」

含水結晶ぶどう糖→「ぶどう糖」

全糖ぶどう糖→「ぶどう糖」

 

ぶどう糖果糖液糖→「異性化液糖」

果糖ぶどう糖液糖→「異性化液糖」

高果糖液糖→「異性化液糖」

 

砂糖混合ぶどう糖果糖液糖→「砂糖混合異性化液糖」「砂糖・異性化液糖」

砂糖混合果糖ぶどう糖液糖→「砂糖混合異性化液糖」「砂糖・異性化液糖」

砂糖混合高果糖液糖→「砂糖混合異性化液糖」「砂糖・異性化液糖」

 

 

 

砂糖の表示の個別ルール

ここまでは、下で紹介する個別の表示が必要なもの以外に通用する基本的(横断的)なルールです。

ここからは個別で定められているルールについてまとめていきます。

 

食品表示基準別表4で定められている食品には、個別の表示が必要です。

どの食品に個別表示が必要なのかを見ていく前に、どういったルールがあるのかを先に整理しておきましょう。

 

 

個別表示①

砂糖混合ぶどう糖果糖液糖→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖」「砂糖・異性化液糖」
砂糖混合果糖ぶどう糖液糖→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖」「砂糖・異性化液糖」
砂糖混合高果糖液糖→「砂糖・高果糖液糖」「砂糖・異性化液糖」

 

ぶどう糖果糖液糖→「異性化液糖」

果糖ぶどう糖液糖→「異性化液糖」

高果糖液糖→「異性化液糖」

 

 

表示する砂糖類が二種類以上の場合

「砂糖類」「糖類」の後ろにカッコを付けて、重量順に表示する。

砂糖と砂糖混合ぶどう糖果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖」「砂糖・異性化液糖
砂糖と砂糖混合果糖ぶどう糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・果糖ぶどう糖液」「砂糖・異性化液糖
砂糖と砂糖混合高果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・高果糖液糖」「砂糖・異性化液糖

 

 

個別表示②

添付調味料、つゆ、たれ等に砂糖を使用している場合

添付調味料」、「つゆ」、「たれ」の後ろにカッコをつけて「砂糖類」「糖類

 

 

個別表示③

添付調味料、かやくに砂糖を使用している場合

添付調味料」「かやく」の後ろにカッコをつけて「糖類

 

 

個別表示④

添付調味料に砂糖を使用している場合

添付調味料」の後ろにカッコを付けて「砂糖

 

 

個別表示⑤

砂糖混合ぶどう糖果糖液糖→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖」「砂糖・異性化液糖」
砂糖混合果糖ぶどう糖液糖→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖」「砂糖・異性化液糖」
砂糖混合高果糖液糖→「砂糖・高果糖液糖」「砂糖・異性化液糖」

 

ぶどう糖果糖液糖→「異性化液糖」

果糖ぶどう糖液糖→「異性化液糖」

高果糖液糖→「異性化液糖」

 

 

表示する砂糖類が二種類以上の場合

「砂糖類」「糖類」の後ろにカッコを付けて、重量順に表示する。

砂糖と砂糖混合ぶどう糖果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖」「砂糖・異性化液糖
砂糖と砂糖混合果糖ぶどう糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖」「砂糖・異性化液糖
砂糖と砂糖混合高果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・高果糖液糖」「砂糖・異性化液糖

 

 

表示する砂糖類が二種類以上あり、その合計が調味液の1%に満たない場合

個別表示①と似ていますが、こちらは砂糖が2種類以上で1%未満の場合、「砂糖類」「糖類」と省略することができます。

砂糖類」「糖類

 

 

個別表示⑥

砂糖混合ぶどう糖果糖液糖→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖」
砂糖混合果糖ぶどう糖液糖→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖」
砂糖混合高果糖液糖→「砂糖・高果糖液糖」

 

 

表示する砂糖類が二種類以上の場合

「砂糖類」「糖類」の後ろにカッコを付けて、重量順に表示する。

砂糖と砂糖混合ぶどう糖果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖
砂糖と砂糖混合果糖ぶどう糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖
砂糖と砂糖混合高果糖液糖の両方を使用する場合→「砂糖・高果糖液糖

こちらも個別表示①とよく似ていますが、「異性化液糖」の表示ができません

 

 

個別表示⑦

「砂糖類」「糖類」の後ろにカッコを付けて、重量順に表示する。

砂糖と砂糖混合ぶどう糖果糖液糖の両方を使用する場合、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖→「砂糖・ぶどう糖果糖液糖
砂糖と砂糖混合果糖ぶどう糖液糖の両方を使用する場合、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖→「砂糖・果糖ぶどう糖液糖
砂糖と砂糖混合高果糖液糖の両方を使用する場合、砂糖混合高果糖液糖→「砂糖・高果糖液糖

 

 

表示する砂糖類が一種類の場合

砂糖類」か「糖類」の文字と後ろのカッコを省略できる。

(一般的な名称で重量順に表示する。)

 

 

個別表示⑧

ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖→「液糖
砂糖・ぶどう糖果糖液糖、砂糖・果糖ぶどう糖液糖、砂糖・高果糖液糖→「砂糖・液糖

 

 

個別表示⑨

異性化液糖→「液糖
砂糖・異性化液糖→「砂糖・液糖

 

 

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個別の表示が必要な食品

砂糖の表示方法は、

  1. 基本
  2. 別名称
  3. 個別表示①~⑨

この3種類に分類できました。

では、個別表示①~⑨はどのような食品に適用されるのか、まとめていきます。

 

 

個別表示①

  • 農産物缶詰及び農産物瓶詰
  • トマト加工品
  • 農産物漬物
  • ジャム類
  • ハム類
  • ハムプレスハム
  • 混合プレスハム
  • ソーセージ
  • 混合ソーセージ
  • ベーコン類
  • 畜産物缶詰及び畜産物瓶詰
  • ウスターソース類
  • マーガリン類
  • 調理食品缶詰及び調理食品瓶詰
  • 豆乳類
  • にんじんジュース及びにんじんミックスジュース

 

個別表示②

  • 乾めん類(添付の調味料)
  • パン類

 

個別表示③

  • 即席めん(添付調味料、かやく)

 

個別表示④

  • 凍り豆腐(添付調味料)
  • みそ(原料以外)
  • チルドハンバーグステーキ
  • チルドミートボール
  • チルドぎょうざ類
  • 調理用冷凍食品(冷凍フライ類、冷凍しゅうまい、冷凍ぎょうざ、冷凍春巻き、冷凍ハンバーグステーキ、冷凍ミートボール、冷凍フィッシュハンバーグ、冷凍フィッシュボール、冷凍米飯類及び冷凍めん類に限る。)

 

個別表示⑤

  • レトルトパウチ食品(植物性たんぱく商品(コンビーフスタイル)を除く。)(食肉油漬け又は魚肉油漬け)

 

個別表示⑥

  • うに加工品
  • うにあえもの

 

個別表示⑦

  • ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料
  • 風味調味料

 

個別表示⑧

  • 炭酸飲料(印刷弁詰め炭酸飲料)
  • 印刷瓶詰炭酸飲料以外は⑥

 

個別表示⑨

  • 果実飲料(印刷瓶入り果汁飲料)
  • 印刷瓶入り果汁飲料以外は①

 

 

【基礎】がないと、詳細を調べながら表示を作成するのは至難の業です

ここまでで紹介してきた内容は、食品表示基準の第3条、別表4をもとにまとめていきました。

消費者庁や厚生労働省などのウェブサイトには、こういった情報がたくさん書かれています。

 

ですが、何かあるたびに探し出すのも大変ですし、そもそも基本的なことを知っていないと、読んでもなかなか理解できません。

そこで大事になってくるのが基礎です。

 

横断的義務表示などの基礎をあらかじめ学んでおけば、細かいルールを調べるだけで大丈夫になっていきます。

この基礎をわかりやすくまとめてくれているのが 食品表示検定認定テキスト です。

 

私も実際に食品表示検定の中級を受けました。

その時の詳細についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

食品表示検定の中級を品管歴1年のひよっこが受けてみた【後日談あり】

 

上級は中級合格者しか受験できませんが、初級と中級は誰でも受験可能です。

食品表示を作れるようになりたいのなら、中級をオススメします。

 

食品表示検定 認定テキスト・中級 はこちらから購入可能です。↓

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こちらは2年に1回のペースで改定されているので、購入前には必ず最新版かどうかを確認してください。

2020年1月31日現在では、ももが表紙の改訂6版が最新版です。

 

 

まとめ

砂糖の表示方法は、

  1. 基本
  2. 別名称
  3. 個別表示①~⑨

この3種類に分類できました。

 

個別表示の①~⑨はややこしいですが、今すべて覚えなくてもサラッと目を通しておくだけで大丈夫です。

実際に表示を作る際に、「そういえばこの食品は個別のルールがあったような…」と思い出せればOK。

食品表示はどんどん新しくなるので、情報収集も含めてその都度確認のために該当箇所を調べるだけで表示を作れるようになるはず。

 

食品表示認定テキストで基礎を学びつつ、この記事に目を通して個別のルールを記憶の片隅に残せてもらえたら…。

 

では今回はこの辺で!(頭が疲れました)

 

参照:電子政府の総合窓口[イーガブ]

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