生鮮食品と加工食品の違いを解説【食品表示検定対策】

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トウソクジン
「食品表示検定を受けようと思うんだけど、どれが生鮮食品でどれが加工食品なのかイマイチわからない…」

今回は、こういった疑問を持っている方に向けて、生鮮食品と加工食品の違いを食品表示基準Q&Aを使って解説していきます。

 

私は外食チェーンで品質管理をしており、食品表示検定中級合格者です。

食品表示検定の中級を品管歴1年のひよっこが受けてみた【後日談あり】

今年の冬には上級も受けようと思っています。

食品表示検定上級を受けてみようと思います

1度食品表示検定中級を受けてみたのと、上級受験に向けて勉強している中で食品表示検定の出題傾向がなんとなくわかってきました。

結論から先に言ってしまうと、食品表示基準Q&Aを押さえておけばOKです。

上級の勉強方法では、初級や中級のようなテキストはなく、消費者庁ホームページで法令・ガイドライン・Q&Aを参考に…と書かれています。

なので、初級や中級も難易度を低くしているけど上級と同じ部分を参考にしても問題ないと私は考えます。

 

ということで、食品表示基準Q&Aの総則から、生鮮食品と加工食品の違いについて触れている部分を拾い上げてわかりやすく解説していきます!

この記事を書くにあたり参考にした部分:食品表示基準Q&Aについて 第1章 総則 総則―12

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もくじ

生鮮食品と加工食品の違いについての基本

食品表示基準Q&Aの総則-11では、

「加工食品」は、「製造又は加工された食品」と定義され、調味や加熱等したものが該当し、(中略)「生鮮食品」は、「加工食品及び添加物以外の食品」と定義され、単に水洗いや切断、冷凍等したものが該当(中略)

引用:食品表示基準Q&A 総則ー11

となっています。

これだけじゃ分かりにくいですね。具体例を見ていきましょう。

 

【農産物】の生鮮食品と加工食品の違い

単品のカット野菜

生鮮食品です。

野菜は、収穫後に調整・選別・水洗いなどを行ったもの、切断したもの、凍結されたものは生鮮食品になるので、単品の野菜をカットしただけのものは生鮮食品になります。

サラダミックス、炒め物ミックス

加工食品です。

カットしただけの野菜が生鮮食品なのでサラダミックスや炒め物ミックスも生鮮食品のような気がしますが、違います。

複数の種類の野菜を切断して混ぜた場合は、それ自身が一つの製品(調理された食品)という認識になるので、加工食品になります。

オゾン水や次亜塩素酸ソーダ水で殺菌洗浄した野菜

生鮮食品です。

オゾン水や次亜塩素酸ソーダ水って私はあまり聞いたことがないんですが、生鮮食品を取り扱っている人ならよく聞く単語なのでしょうか?

あまり聞きなれないという人も多いと思いますが、聞きなれない単語が出てくると難しく考えがちになります。

でも簡単に言ってしまうと洗っているだけで新しい属性の付加はしていないので生鮮食品になります。

ブランチングしたうえで冷凍した野菜

加工食品です。

こちらもあまり聞きなれない言葉ですよね。

ブランチングとは、冷凍保存中に変質・変色しないように、熱湯や蒸気で短時間の加熱処理を行うことを言います。

ブランチングの意味を知っていれば簡単なんでしょうが、私は知らなかったので「は?」となりました。

加熱してるので加工食品になります。

ベビーリーフ(複数種類の幼葉を混ぜ合わせたもの)

生鮮食品です。

え!複数種類を混ぜ合わせてるのに生鮮食品なの!?と思いますよね、私も思いました。

そもそもベビーリーフとは、キャベツやレタスやほうれん草の幼葉の総称です。一般的には、単品ではなくミックスパックとして混ぜ合わせて売られています。

なのでスーパーとかでよく見かけるベビーリーフ=複数種類の幼葉を混ぜたもの、という前提でこの話を進めていきます。

ベビーリーフに関しては、複数種類を混ぜているものの、摘み取った状態のまま袋詰めされていて、幼葉の原型がわかり判別することができるため生鮮食品になります。

注意
※摘み取った状態のまま袋詰めされている場合は複数種類を混ぜていても生鮮食品ですが、これを原型がわからないくらいにカットした場合は加工食品です。

 

【畜産物】の生鮮食品と加工食品の違い

合挽肉

加工食品です。

複数種類を混ぜ合わせているので。

複数の部位の食肉を切断したうえで調味せずに一つのパックに包装したもの

生鮮食品です。

書き方がややこしいですよね。1種類の家畜からいろんな部位を使ってるだけで、複数種類を混ぜているというわけではない、ということですよね。それをカットしただけで調味はしていない、と。

野菜もそうでしたが、肉の場合も切断・薄切りしたもの、冷蔵・凍結した1種類の家畜・家禽は生鮮食品になります。

複数種類を混ぜ合わせれば加工食品になりますが、複数の部位を使用していても家畜・家禽の種類が1種類の場合は生鮮食品になります。

複数の種類の食肉と野菜を切断したうえで、調味せずに一つのパックに盛り合わせたもの

加工食品です。

単品の食肉なら生鮮食品ですが、複数の種類の食肉を使用しているうえに、野菜もいれちゃってるので完全に加工食品です。

仮に、1種類の食肉に切断した野菜を調味せずに1つのパックにした場合でも、肉+野菜なので加工食品になります。

スパイスを振りかけた食肉

加工食品です。

スパイスをかけて調味しているので加工食品になります。

たたき牛肉

加工食品です。

タタキと言えばカツオのイメージがあるので、一瞬「たたき牛肉…?たたいて伸ばした牛肉か?」と私は思ってしまいました。(笑)が、カツオのタタキと一緒で表面を炙っている(加熱している)牛肉なので加工食品になります。

焼肉のたれを混合した食肉

加工食品です。

食肉だけだと生鮮食品ですが、焼肉のたれは完全に加工食品です。

生鮮食品と加工食品を混ぜ合わせているので加工食品になります。

焼肉のたれ(加工食品)じゃなくて塩とかスパイス(生鮮食品)でも調味してる時点で加工食品になりますけどね。

パン粉を付けたとんかつ用豚肉

加工食品です。

揚げてなかったら加熱してないしギリ生鮮食品か?と思いがちですが表面に衣をつけて加工した時点で加工食品になります。

 

【水産物】の生鮮食品と加工食品の違い

マグロの単品の刺身

生鮮食品です。

野菜もお肉も魚も、カットしたものを単品で売る場合は生鮮食品になります。

食品表示基準別表第2の生鮮食品一覧によると、「ラウンド、セミドレス、ドレス、フィレー、切り身、刺身(盛り合わせたものを除く。)、むき身、単に凍結させたもの及び回答したもの並びに生きたもの」は生鮮食品になるみたいです。

 

※ラウンド…調理をしない原形のままの魚

※セミドレス…腹部を切り開き、エラと内臓を除去したもの

※ドレス…セミドレスから頭部を除去したもの

※フィレー…ドレスを3枚におろしたもの

 

マグロの単品の刺身にツマ・大葉が添えられているもの

生鮮食品です。

マグロ単品の刺身+ツマ(大根を切ったやつ)+大葉 といろいろなものを1パックにしているので加工食品かな?と思いがちですが、生鮮食品です。問題で出てきたら知ってないと間違えますよね、コレ…。

解釈としては、ツマと大葉はおまけなので、これらをマグロ単品の刺身と一緒にパックしていても全体で1つの生鮮食品という認識になるみたいです。

こればっかりは決まり事なんで「なんで?」って考えても答えは出てきません。「この場合はこう!」って覚えるしかないです。

複数の種類の刺身を盛り合わせたもの

加工食品です。

お刺身盛り合わせとか、マグロとサーモンの盛り合わせとか、複数種類を盛り合わせているので加工食品になります。

マグロのキハダとメバチを盛り合わせたもの

生鮮食品です。

キハダマグロとメバチマグロを同種とするのか別とするのか、という話ですね。

食品表示基準Q&Aでは「社会常識で判断すべきもの」とありますが、「食品表示基準別表第2に個別具体的な種類があるか否かが一つの目安」とも書かれています。さらに、別表第2に書かれていない場合は「別表第2の分類の基礎となった日本標準商品分対を参考にさらに判断することとなります」とのこと。確認するのが大変だ…

キハダマグロとメバチマグロの場合は、同じマグロ類に分類されており同種とみなしますので、生鮮食品になります。

赤身とトロを盛り合わせたもの

お肉のときも同じようなものがありましたが、同種の複数部位を1つのパックにした場合は生鮮食品になります。

更に水産物の場合は別表第2で「刺身(盛り合わせたものを除く。)」と記載があります。

「え、赤身とトロを盛り合わせてるやん…」と思うかもですが、盛り合わせ=複数種類の刺身を1つにしたもの という認識なので、赤身とトロの盛り合わせは生鮮食品になります。

尾部(及び殻)の身を短時間の加熱(ブランチング)により赤変させた大正エビ

加工食品です。

しっぽしか加熱してないし、他は生だから生鮮食品かな?と思いがちですが、一部分だけでも加熱していれば加工食品になります。

短時間の加熱(ブランチング)を行い殻を開けてむき身を取り出したアサリ

加工食品です。

アサリそのものを加熱するわけではなく、あくまでも殻を開けてむき身を取り出すためにブランチングしているということなので、生鮮食品かな?と思いがちですが、短時間でも加熱してたら加工食品になります。

蒸しダコ

加工食品です。

蒸してたら加工食品になります。

塩蔵わかめを塩抜きしたもの

加工食品です。

塩蔵わかめそのものが加工食品なので、それを塩抜きしても加工食品になります。

身を取り出し、開き、内臓を除いたうえで冷凍した赤貝のむき身

生鮮食品です。

いろいろやってるので加工食品かな?と思いがちですが、

  • 生の状態の赤貝から身を取り出している→生鮮食品
  • 開いて内臓を除去する→生鮮食品
  • 冷凍する→生鮮食品

色々やってますがすべて生鮮食品の範囲なので生鮮食品になります。

一種類の魚のカマや身アラの詰め合わせ

生鮮食品です。

お肉やお刺身のときもそうでしたが、複数部位を使用していても一種類の場合は生鮮食品になります。

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なぜ生鮮食品と加工食品の違いを問うのか?

なぜこんなにもややこしいルールを設けてまで生鮮食品と加工食品の違いを定義するのかといいますと、生鮮食品と加工食品では表示する事項が違うからです。

あんぽんたんぽかん君
え~、どこがどう違うの?

という人はこちら↓の記事で分かりやすく解説してますので、ぜひ。(執筆中)

 

まとめ:違いがわかりにくければ事例を丸暗記してしまおう

私が受けたと第19回食品表示検定の中級ではここまで詳しく出てきませんでした。

でも、過去問は持ってないし、セミナーにも参加してないし、で不安でいっぱいでした。もっと事例を見ておきたいなーと思ってたんですが、リサーチ力が足りなくて食品表示基準Q&Aにまで到達できませんでした。

同じように、過去問は持ってないしセミナーにも参加してなくて、テキストのみで勉強しているけどもっと事例が知りたい!という方は、ぜひこの記事を参考にするか、この記事を書くにあたり参考にさせていただいた食品表示基準Q&Aをご覧ください。

今回はこの辺で。

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